加古川マラソンまでいよいよあと2日。
走るのは日曜を最後にして、今は明後日に向けて体調を整えるばかりになった。
この3ヶ月間、まったくというわけではないけどアイスクリームを断ってきた。
代わりにバナナやリンゴやミカンを食べるようにした。
アイスクリームを食べる日常が少しばかり恋しい。
先週末は長渕剛のライブに行った。
神戸での金曜と土曜の両日共だ。
最近の長渕は以前にもここで言ったように、「飢えの渦中」にはいないように感じられる。
かつてに比べて異端者や反逆者としてのなりが潜まってしまった。
それは残念といえば残念だ。
けれども、そうは言っても長渕は代替可能な消費物ではない。
大切な旧友を、あいつは変わったといって見限る人はそんなにいないだろう。
大切な旧友とのかけがえのない思い出があるように、
長渕には数々の心震わせる曲があり、僕はそれをもらっている。
つまり僕は長渕に恩を感じている。
だから、たとえ長渕が今「飢えの渦中」にいなくとも、
絆だ、信頼だ、友情だと言い始めても、僕はあたたかく応援したい。
叱咤したり、そっぽ向いたりするのは他のファンがすればいい。
それでライブはというと、もちろん楽しかった。
楽しかったが、体力的にかなり消耗もした
(いつだって長渕のライブは体力的に消耗するのだけど)。
それも当然のことで、長渕は観客である僕たちを消耗させようとしているのだ。
ライブ会場で購入した「別冊カドカワ 総力特集 長渕剛」の中に自身の言葉でこう書いてある。
- 長渕剛のライブは鑑賞ではなく、
- 観客と俺の圧倒的な競技なのだ。
ライブは2時間半から3時間程度行われたが、その間僕たちは何度拳と声を突き上げただろうか。
しかし僕たちからみても、最も消耗しているのは明らかに長渕本人だ。
だから負けられない。
席に座るわけにも、拳を突き上げないわけにも、声を張り上げないわけにもいかない。
ライブ全体としては客の入りがいい、ゆえに会場として一体感がまさっていた土曜日のほうがよかった。
でも演奏された曲目やMCは金曜のほうが好みだった。
アコギ1本でやる昔の曲が多かったからだ。
「花菱にて」を聴けたのは素晴らしい体験だった。
長渕はバンドを携えた華やかでビッグなサウンドよりも、
豊かなダイナミズムと確かな技術と音によるアコギ1本による演奏の方がロックに聴こえる。
何だかんだいっても、長渕のライブは素晴らしい。
それと上でも少し触れたけど、
今回のライブ会場で販売されている「別冊カドカワ 総力特集 長渕剛」の長渕の過去を回想しながら語る部分が素晴らしい。
- 肉体とギターが異体同心でなければならないと、 心血を注いだ
という10代。
- 今に見てろよ、ただそれしかなかった
新人時代。
- 過去の自分をバッサリ叩っ斬ると、腹をくくった
その30代はテレビドラマ「とんぼ」で幕を開けた。
- 捨てるのは、過去の声、発声、容姿…すべてだ
そして伝説の桜島オールナイトコンサート。
- 俺たちは夜通し命を燃やした
いかにも長渕らしい歌い手としての哲学がある
- 声帯がボロボロになるまで震わせ尽くした時、歌に魂が宿る。
- そこまでやるのが「歌い殺す」だ。
- 「歌い切る」なんてまだまだ甘っちょろい。
- 歌い殺さないと、歌に申し訳が立たねぇ
長渕さん、まだまだ老いさらばえずに、
頑固さだけに胸を叩かせて、やり続けてください。
西田、ありがとう。西田がいなければ、2日連続でライブに行くことはないだろうと思う。
これからも長渕をあたたかく茶化し続けよう。
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