近頃は夜中に暑いせいで寝苦しく、目が覚めてしまう。
海の日の3連休は帰省した。
そして今年もその3日間は、
消防団としてのいもち祭り(虫送り)の運営に費やされた。
金を払って休日をつぶしてやるわけだけど、
そんなにやりたいのかと言われたらまったくそんなことはない。
おそらく消防団も、他の運営に携わった自治会もそんなことはない。
嬉々として、すすんでやりたい人はいないと思う。
金を払って休みをつぶすというのは、
この日本で現代的に、特に都会的に考えれば
どうみたって不思議な行為である。
しかし田舎には田舎の慣例があるのだ。
カントによれば、
“義務の動機
(有用性や快楽や利便性のためではなく、
それが正しいからという理由で行動すること)
だけが行動に道徳的な価値を与える”。
(『これからの正義の話をしよう』P149)
もちろん僕たちが義務の動機だけによって、
いもち祭り(虫送り)に参加しているわけではないが、
義務の動機の存在も認めてもいいと思う。
僕たちは“それが正しい”と思って行動している。
なるほど、
これがカントのいう道徳的である
(もう少し正確にいえば、 道徳的な価値をいくらか持つ)ということか、
そう思った。
田舎には田舎の枠組みがあり、都会には都会の枠組みがある。
そういう枠組みの体験は勉強になる。
はじめまして
いきなりすみません隣ムラの住人です。
たまたま見つけてしまいました。
明日 私たちも『虫送り』です。
自分にとって地元に戻ってから4年目の夏
私も結構 ムラづきあいに関しては
悩みました。
ちょっと前に丸山真男の『超国家主義の論理と心理』を読みました。
自分が田舎で不条理だなって感じたことと重なってて読んでて興味深いものがありました。
一読を勧めます。
消防団で起こっていることは
よきにしろ悪しきにしろ『日本精神』そのものです。
丸山真男『日本の思想』も読んでみると
田舎と都会の価値観の違いが感じ取れるかもしれませんね。
それではまたどこかでお会いしましょう。
投稿情報: マルコメ | 2010/07/23 12:53
“隣ムラ”は何かの用語かと思ったらほんとに隣村みたいですね。
『日本の思想』は以前に買ってありながら読めていませんでしたが、読みます。
『超国家主義の論理と心理』も読みたいと思いました。
ありがとうございます!
年末にお会いするかもしれませんね。
投稿情報: 松田貴仁 | 2010/07/27 22:44