ほんとうは新聞の広告でみた王さんの「野球にときめいて」を買おうとして本屋に行った。でも見つけてしまった。大道典嘉「仕事人-バット短く、息長く-」。巨人ファンで、中でも特に好きだった大道(同じ三重県出身というのもある)の本なのですぐに購入を決めた。王さん、ごめんなさい。また今度で。
震災以来、まともに本を読めない。ほんとうに目が文字の上を滑るだけ。こんなときは大好きな巨人軍の本を読むに限る。早速事務所から帰ってきて読んでみた。
非常に失礼な言い方であるのを承知でいうが、あっと驚くような、あるいは魅せられるような深い野球観や人生観が語られているわけではない。でもたしかに仕事人・大道の人柄はある(その意味でいえば、それが大道の野球観なのだ)。だから、本を読んでいて関心したり頷くよりは、笑ってしまうことのほうが多い(大道さん、ごめんなさい)。
何に笑うかって、わりと小市民なのだ。小市民という言い方が正確でなければ、小選手といおう(誤解されたくないので断るけど、小選手は愛嬌あるびびりというくらいの意味です)。
ベンチで原監督の顔をうかがいながら野次をとばしたり、鈴木君(鈴木尚弘)のアウトを願った場面だったり、サンスポを阿部のせいにしたり。
そして小笠原のプロとしてのあり方を尊敬している(もちろん年は、大道選手の方が上)。
小笠原の練習量があまりに多いので、大道がきいたらしい。ちなみに大道は小笠原のことを“サムライ”と呼んでいるようだ。
- 「オマエ、いつ休むんだ?」
- するとサムライ、例の目力でこう言うんです。
- 「大道さん。僕がゆっくり休むのは、引退してからです」
- ……くぅ~っ、サムライ、カッコよすぎるよ! (P182)
誉め方すらおもしろい。そしてこのすばらしき愛嬌。
あらためて、大道さんおつかれさまです。
叶うなら、指導者としてまた戻ってきてほしい。
そしてズムサタ(まだやっているのかな)に出て欲しい。
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