ホテルを出てプラハ城へ行くために、エヴロプスカー通(Evropska')とかいう道を地下鉄ディヴィツカー駅(Dejvicka')に向かって歩きました。たぶんプラハ城へは3~4kmくらいです。からっとした空気に心地よい気温、日本の都心に比べたらだいぶと少ない交通量にまばらな人気。歩いていても気持ちがいいです。
ディヴィツカー駅のラウンドアバウトを右折してプラハ城のある南へ向かいました。ラウンドアバウトは日本ではほとんどお目にかからない交差点形式でなかなか新鮮でした。平日である水曜日の昼間だというのに、やっぱり日本の都心に比べるとスーツを着た人の姿や車の量が少なく、不思議に思いました。プラハ市民のみなさんは建物の中にこもって仕事しているのか、スーツを着る仕事をしている人が少ないのか、そもそも人が少ないのか。
弟と「外国人はやっぱりでかいな」とか「あの犬(散歩されている飼い犬)はまじで恐そうや」とか「スタバがあるな」とか話しながら、そして意外にも少し疲労を感じながらプラハ城の東門の方へ着きました。弟は小腹が空いていたのか、目に付いた売店でホットドッグ(たしか40CZK≒約200円)を買いました。見ているとおいしそうなので、一口もらうとほんとうにおいしい。ウインナーがとてもおいしい。ほんとうはもっと欲しかったのですが、じゃあ買えよといわれそうなのでやめておきました。このウインナーの最初の印象が良すぎたので、この旅行中、スイスでもドイツでもウインナーを食べますが、コストパフォーマンスはこのホットドッグ(のウインナー)がもっともよかったです。
(ウインナーうまかったなあ)という思いを引きずって東門から入り、観光名所で入場料がかかる「黄金の小路」とか「聖イジー教会」とか「聖ヴィート大聖堂」とかに入るためのツアーチケットが買える場所を探しました。観光地としてのプラハ城は「プラハ城」という単体の建物ではなく、聖堂や宮殿や旧王宮などの複数の建物がある観光地エリアなので、それらを廻るためのツアーチケットというわけです。
「黄金の小路」の近くにある売店(?)でチケットが買えたので購入しました。プラハ城のほぼ全ての建物をまわれる350CZK(≒1600円)のツアーチケットです。初めに近くにある「黄金の小路」に入り、名前の通りの小路とこの小路に面するこれまた小さなお店をさっと見てまわりました。お店で売られているのは雑貨というか工芸品というかそんなものが多かったように思います。
「黄金の小路」を出て、通路を西へ歩くと聖ヴィート大聖堂と聖イジー教会に挟まれた広場に出ました。その広場を周囲の建物を彩っている彫刻たちが睥睨しています。
僕が「あれはドラクエに出てくるモンスターみたいやな」と言うと、「ほんとや」と答えました。
それにしても弟はわりとパシャパシャと数多く写真を撮っています。広場を西に抜けると第三中庭というまた別の広場に出ました。
「まあまあ歩いたで疲れたの」と言って聖ヴィート大聖堂を南から見上げる(いちばん高い塔部分で96.5mあるとのことです)位置の石畳に腰をおろして一休みしました。
弟は何とかこの建物の全景をおさめようとなるべく遠ざかったり、カメラを地面に置いたりして工夫していましたがだめだったようです。
「無理や」
「やっぱりでかいでな。100m近くあるて書いてあったでな」
第三中庭を抜けて建物の西から(こちらが入り口)、聖ヴィート大聖堂へ入りました。写真はその内観です。美しいリブヴォールトの天井高さは33mとのことです。南から差す光がステンドグラスを通過して、身廊を囲む柱を彩っています。コールハースが「錯乱のニューヨーク」で(モニュメンタルであるのに必要なことはでかいことだ)と言っていたような気がしますが、(信仰を強化させるのに必要なことはリブヴォールトの高い天井だ)と言っていいでしょう(よくないか)。
リブヴォールトという形式はただのヴォールトが発展した形式で、リブヴォールトにしたおかげで屋根が横に広がる力を壁面がいくらか支えなくてよくなった、これによって壁に開口を比較的自由に設けられるようになり、大きなステンドグラスの設置も可能になったのだ。そんなうんちくを弟に披露すると「なるほど。たしかに」と僕がよく使う相槌を打っていました。なるほどね。
「これは神を信じたくなるのう」
「そうやな」
「それにしても、あの天井の絵はどうやって描いたんやろう。貼り付けたようには見えんがな」
「そうやな」
そんなことを言いながら聖堂内を歩きました。
主祭壇の天井には出来たときは荘厳であったでしょう、しかし今は褪せた絵が描かれていました。
プラハ城では他にも「聖イジー教会」(下の写真はその内観です。こちらは天井が木でした。直天井では具合悪いのでしょうか)や「旧王宮」など、購入したツアーチケットで入場可能なところを見てまわりましたが、最後には疲れてきてしまい(そして観賞にお腹いっぱいになってしまい)、全部は廻らずにプラハ城を後にしました。
プラハ城に入ったのは14時半頃、たぶん出たのは16時半頃だったと思います。
次はカレル橋を目指すことにしました。