A place where I belong

自失、信念

－　夜明け前に井戸の底で夢を見た。

－　でもそれは夢ではなかった。

－　たまたま夢というかたちを取っている何かだった。

（「ねじまき鳥クロニカル　第２部」村上春樹（新潮文庫）P156）

 

 

村上春樹のおもしろさがだんだんとわかってきた気がする。

本当は一気に読みたいのだけれど、それをできていないのが少し悔しい。

 

 

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毎日何かを思いつくけれど、
その着想は僕の脳味噌の日本海溝よりはいくらか浅い脳味噌の皺の奥深くに沈みこんで忘却される。

自分を見失ってはいけないといわれる。
でも自分を見失うということは自分が知っている自分を見失うということで、
それは未知の自分が見えやすくなる好機ではなかろうか。
だいたい、毎日今の自分にしがみついて生きている僕たちには、
ふだん眼前を知らない自分が通りかかっても一瞥さえしない。
僕たちが一瞥するのはきれいなねえちゃんやケメンや奇抜な自転車に乗ったおっさんくらいのものだ。


なんだ、そんなのは屁理屈じゃないか。
自分を見失うってのはそんな生易しいものじゃないだろう。

そうです。間違いございません。
屁理屈でしょう。
けれど、屁理屈だって人間を救うことはおおいにある。
もしも信念や箴言というものがあれば、
それはある特定の状況で絶大な力を発揮する屁理屈のことだと思う。


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朝起きてすぐに腹筋と腕立てをした。
また100回と50回でへばった。
そしてRACER Xを聴きながら大阪城の廻りを25分くらいかけて走った。
気持ちいいですね。

今週末は帰省する予定だったけれど、

仕事の都合でやむをえず大阪にとどまることになっている。

大阪にとどまっていると、

ついつい梅田のウインズへ行ってＪＲＡに寄付をしてしまう人のよさを発揮してしまう。

エンタテイメント

「僕は僕なりのエンタテイメントを追究したい」

と東野圭吾さんが言っていた本だか紙を本屋で見かけた気がする。

東野圭吾「使命と魂のリミット」（角川文庫）を読んだ。

多くの人に読みやすく入りやすい物語と適当な意外性。

損得で本を読むわけじゃないが、読んで損はないのが東野圭吾さんではないでしょうか。

外さない、という意味で。

良質なエンタテイメントをきちんと提供してくれる。

（“適当な意外性”ってまったく適当ではない言葉の選択な気がしますが、見つからないから仕方が無い。要は、このつなげ方は東野圭吾だ、というある種のお決まりの読後感を与える意外性というか。）

そして一昨日、村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」（新潮文庫）を買った。

村上春樹さんは自作をエンタテイメントとは称しないと思う。

どうしてそういう人の本がこんなに売れたのか。

読み応えのある本（読むのにパワーのいる本）がどうして。

買った人はみんな読んだのでしょうか、「１Ｑ８４」。少し興味がある。

僕はまだ読んでませんが。

 

ポップスより流通、露出されるプログレッシブロックという印象をどうにもぬぐえない。

なぜだ。

大勝軒にて

戦うとはどういうことか。
ざっくばらんに言って、
「負けられん」という気持ちによって言動していることだ。


●


眼前にふたつのどんぶりがある。
ひとつは牛丼家のどんぶりほどの大きさで、
そこには瑞々しく光った中太の卵麺が溢れんばかりに充填されている。
それよりは少し大きめのもう一方には、
動物性脂によるきらめきを放った豚骨醤油色のスープが湛えられている。


うまそうだ。
しかし。
多い。
見た瞬間に多い。
これでも麺は中盛りだという。


そのとき僕は、大阪大勝軒にいた。つけ麺の店。

食べ始めたはいいが、途中で案の定満腹感が僕を襲ってくる。
満腹感に襲われる、ということは通常ないことだが、
このときはたしかに襲われた。
まだ半分くらい麺が残っている。
隣で同じものを食べている中居さんを見ると、もう食べ終わりそうだった。
不覚。
いくらか急ぎめで食べていたのに、こんなにも差を開けられるとは。
僕もかつては自他共に認める早食い能力を有していたのに。
しかも中居さんはあれだけのボリュームを吸収したというのに、
けろりとしている。
不覚は落胆に変化しようとしていた。


そのときに思ったのだった。
「負けられん」
かつての栄光のために、僕を早食いと認めてくれた人のためにも。
しかもこれは中盛りではないか。大盛ではない。
現役を引退した身だ。
大盛りに負けても沽券は保たれるだろう。
しかし中盛りには負けられん。
ましてや横には葛藤の後を微塵も見せずに食べ終えた先輩がいる。
くそ。
やってやろうじゃねえか。
太ったらまた走ればいい。


●


何とか食べ終えて帰宅の途につく。
ものを食って体力を消耗したのは久しく忘れていた感覚だ。
帰っても何もできんやろう。
小説も読む気になれん。
途中でブックオフに寄って、
福本伸行の漫画とJON BON JOVIのCDを買った。
漫画を読み終えて、JONの声を聴いているうちに寝た。

今朝もまだ腹が重い。

仕方がないから今から走ります。


●


念のために言い添えておきますが、おいしかったです。
つるりとした麺は時間が経ってもなかなかそのつるりを失わないし、
コシもしっかりとある。
スープも豚骨と魚介がバランスよくブレンドされていた。
麺とスープがもっと熱ければ、
煮卵がもっとやわらかければなおよかったのになあ。

でも次は普通盛りにしよう。
いや、でも･･･。

ちなみに聞くと中盛りは麺が４玉だって。そら多いわ。

連休録

１日目はまーきーと京都競馬場へ。

土曜日なのに、ＧＷだからか人が多かった。家族連れもけっこういた。

勝ったか負けたかは公言するまでもありません。

ワイドを上手に使う必要がある。

２日目は彼女と「木の殿堂」へ。

マイナースポットだからか、道中で渋滞には遭ったもののたいしたことはなかった。

円錐を水平方向に切断し、プリンのような形になったそれに、円柱のヴォイドを鉛直方向に挿入する。

そして水平方向に一本の直線を貫通させる。

そんな造形構成（という言葉はないだろうけど）をした建物だった。

内部は“木の生命力を表現した”らしい集成材の柱（500角程度）が林立していた。

図面が見たかった。

「木の殿堂」の後は、近くのレストランで但馬牛のハンバーグ。なかなかのものだった。

３日目は桑名に戻ってショートコースを回った。

彼女と彼女の友達も一緒だったが、えらいものでなかなか力強いスイングと打球を披露され感心した。

それにしても暑かった。そして長かった。

夜は駒田さんと飲んで、じょうちゃんちへ麻雀しに行った。

麻雀をしに行ったのだけど、

じょうちゃんの嫁さんの友達（僕の中学の同級生でもある）が来ていてただの宅飲みになっていた。

みんな楽しそうでよろしいわい、とみんなの話を聞いてばかりいると、

じょうちゃんの嫁さんが気を使ってくれたのか僕の話を聞きたいと振ってくれる。

この人は余裕があるなぁ、素晴らしい、と勝手に感心した。

それでも僕より先行して話す人がいるのでまたその話を聞いていた。

４日目は父とおばさんと多度カントリーへ。

やっぱりゴルフはこっちに限る。素晴らしき眺望、それによって生じる開放感。

スコアは54と47で101と最近にしては良い方だった。

毎回思うけど、今回は掴んだものがあった（スタンスの取り方とバンカーの打ち方とパターの打ち方）。

忘れないようにしたい。

５日目は、朝にじいちゃんばあちゃんと喫茶店に行き、昼はそこに妹を加えて外食をした。

祖父母孝行と言っても差支えないと思う。

さまざまな共同体に属するさまざまなふつうの人に会うと、

日常で凝り固まりがちな僕にとっての他人をほぐしてくれる。

003

木の殿堂へ

本日は今から兵庫県美方郡にある「木の殿堂」へ。

レンタカーで行くのだけど、やはり渋滞が心配だ。

そちらが地元であるクスダくんやアキタくんの話だとそんなには込まず、込んでもしれているとのこと。

本当は城之崎温泉や出石そばとかにも足を伸ばしたいが、少し遠いので考え中。

 

それにしても前回の話と同じになってくるが、昔の日本人はＧＷをどのように過ごしていたのか。

どうしてもそういういことが気になってしまう。

今じゃみんながせっせせっせと出かける（消費する）けれど、たぶんそんなことはなかっただろう。

日本人の行動様式とでもいうのでしょうか。そんなことが気になる。

 

　　＊

 

昨日は合間合間に「メルロ＝ポンティ入門」（船木亨（ちくま新書））を読んでいた。

僕の予備知識が足らないのもあるのだろうけど、よくわからん。

文章は、居丈高に難しいなんてことは全然ないのだけど、よくわからん。

この船木さんの主張というか意見は分からないでもないが、メルロ＝ポンティがどうだったかということがよくわからん。

もう少し主語に「メルロ＝ポンティ」を使う文章を多くして欲しいですね。

連休前

前のyahooブログから引越し（http://blogs.yahoo.co.jp/tak050421pulse）

 

幸いにも明日から連休。

僕はいつでも休みの前には気持ちが高ぶる。

拘束されていない、自由だ、と思うのである。

そう思うと同時にしばしばこういう問いも浮かぶ。

なぜ自分はこんなにも休みを楽しみにするのか。

そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれないが（特に僕と同世代は）、そうでもない。

（おそらく）今年で83歳になる祖父は今も健全で、相変わらず勤労である。自発的勤労者といってよいと思う。

毎日せっせせっせと何かをしている。だいたいは畑仕事だ（どうみても僕より体力がある）。

祖父は自分でも口にするが、何かをしてなくてはいられないのだという。

その何かはゲートボールや喫茶店やテレビや散歩ではなく、何かしらの労働と思われるものである。

どうしてそんなにせっせせっせと自発的に労働に励むことができるのか。

もちろん性格もあるだろうけど、やはり生きてきた時代というものを意識してしまう。

祖父は戦後、この田舎で会社を立ち上げ、雇用を生み出し、地元に還元してきた。

せっせせっせとしてきたのだと思う。

週休二日制は1980年代頃からだという。今から約30年前。

父が働き始めた頃だろう。

そのころ父の職場は週休二日制でなかったと思うが、社会は着実にその方向へ歩を進めていったらしい。

－　近代化過程で、都市生活者は、生産者としての位置から、

－　しだいに消費者としての役割を拡大していった。

－　とくに週休二日制が導入された１９８０年代ごろからは、

－　かれらの精神的な軸足は、

－　どこでどのように働いて生計を立てるかということから、

－　どこで、どうやって時間を消費するかというところに移っていったのである。

（「株式会社という病」平川克美（ＮＴＴ出版））

都会に遅れをとりながら全国的に精神的移行とでもいうようなそんな動きがあったのだと思う。

だんだんと「平日のための休日」から「休日のための平日」へ移行していったとも言える。

そういうことを思うと、休日を心待ちにし、気持ちが高ぶるのはそう当たり前のことではないように感じる。

僕たちは促進された消費を生真面目に実行している。

だからどうってわけではない。

せっかくの連休なので満喫するつもりだけど、おもしろいなと思うのです。

 

 

今日は今まで持ち帰りの肉まんとシュウマイでしか利用してなかった551で初めて食事をした。

海鮮焼きそばと麻婆丼。バランスよくまとまっていておいしかったです。セトジマさん、ごちそうさまです。